Tokyo Cantatとは

Cantatとは一定期間に集中して合唱のためのコンサート・講習会・公演等を行うイベントを意味する 新しい言葉です。私達は、日本における合唱音楽の浸透と、文化としての合唱活動の振興を目指して、1996年より毎年“Tokyo Cantat”を開催してきました。コロナ禍において2020年は中止を余儀なくされましたが、その後可能な限りで歩みを続け、2024年5年ぶりにフル開催をすることが出来ました。2025年は29回目を迎えます。
“Tokyo Cantat”は世界各国の合唱音楽の紹介と日本の合唱文化の再確認という2つの柱から成り立っています。前者の企画として、世界的に活躍する指揮者・作曲家を講師に迎え、セミナーと講師指揮のコンサートを行います。今回は、初招聘のマルク・コロヴィッチ氏、再招聘のエルヴィン・オルトナー氏、カスパルス・プトニンシュ氏の3人をお迎えします。

Tokyo Cantatの醍醐味の一つである公募合唱団は、ユース&カレッジクワイアの年齢制限はありますがその他の参加資格は問いません。カンタート期間中、講師の直接指導を受けて5月6日のコンサートにてその成果を披露します。(リハーサルはすべて公開されます)公募合唱団は大人数の合唱団、学生からの比較的若い世代のための合唱団と多様です。
また、今回は東京でのセミナー、も企画しています。歌い、学び、多岐にわたって合唱の奥義を体験します。

日本の合唱文化の再確認、にあたる企画として、日本語の美しさや日本古来の音楽、日本人の作曲家に焦点を当てたコンサートを続けてまいりました。特に2010年以降、「やまと うたの血脈(けちみゃく)」と題し、シリーズとして毎年さまざまなテーマに沿った演奏会も企画してきました。今回は、日本で現在最も活躍している作曲家の一人である信長貴富氏プロデュースにより、「合唱」の枠にとどまらない、他分野への進出、また、舞台芸術としての広い視野を考察した活動にも光を当てる多角的な視点でコンサートを企画、社会に向けての拡がりも考察したいと思っています。

そして、日本の合唱を担う未来の指導者育成のために「若い指揮者のための合唱指揮コンクール」を2008年から開催しております。その始まりは、Tokyo Cantatに何度も招聘講師として来日された故カール・ホグセット氏、エルヴィン・オルトナー氏お2人からの発案でした。過去受賞者のみなさまはさまざまな合唱団や組織など、多方面に活躍されています。隔年開催を重ねてきましたが、コロナ禍のため2020年は1年延期して2021年に無観客ライブ配信、2023年に5年ぶりの有観客で開催しました。2025年は9回目を迎えます。今回は、初めての東京音楽大学中目黒・代官山キャンパスTCMホールで開催します。また審査員としてTokyo Cantat 2025 招聘講師3名に加え、日本を代表する指揮者広上淳一氏に審査員の労をお取りいただき、課題曲にも初めての日本の作品が加わります。

ゴールデンウィークは今年もTokyo Cantatで、さまざまな合唱をぜひお楽しみください
多くの皆様のご参加、ご来場を心よりお待ち申し上げます。