Tokyo Cantatとは

Cantatとは一定期間に集中して合唱のためのコンサート・講習会・公演等を行うイベントを意味する新しい言葉です。私達は、日本における合唱音楽の浸透と、文化としての合唱活動の振興を目指して、1996年より毎年“Tokyo Cantat”を開催してきました。2023年は27回目の開催となります。実に四半世紀を過ぎ、改めてこれまで支えていただいたすべての皆さまに感謝申し上げます。

“Tokyo Cantat”は世界各国の合唱音楽の紹介と日本の合唱文化の再確認という2つの柱から成り立っています。2020年春より3度にわたり、海外からの招聘講師来日が叶いませんでしたが、来年こそはと準備に取り掛かっております。2023年は、フリーダー・ベルニウス(ドイツ)、エルヴィン・オルトナー(オーストリア)世界で活躍する2人の指揮者を招聘する予定です。公募合唱団も3年ぶりに復活します。参加資格は問いません。講師の直接指導を受けて5月7日のコンサートに参加することもできます。公募合唱団は大人数の合唱団、学生からの比較的若い世代のための合唱団と多様です。公募合唱団はどなたにも参加いただけます。

日本の合唱文化の再確認、にあたる企画として、日本語の美しさや日本古来の音楽、日本人の作曲家に焦点を当てたコンサートを続けてまいりました。特に2010年以降、「やまと うたの血脈(けちみゃく)」と題し、シリーズとして毎年さまざまなテーマに沿った演奏会を企画しております。今回は2013年にご逝去された作曲家三善晃氏没後10年の年に、改めてその作品の数々に向かい合う企画を立てました。三善晃氏と共に『波のあわいに -見えないものをめぐる対話-』を出版された音楽評論家、丘山万里子さん監修による三善晃作品の数々をお楽しみいただける演奏会を予定しております。

世界各国の合唱音楽の紹介、に当たる企画としては、招聘外国人講師による選曲、期間中に行われる日本の合唱団との公開リハーサル・成果発表のクロージング・コンサートを予定しております。

また、Tokyo Cantatでは、日本の合唱を担う未来の指導者育成のために、若い指揮者のための合唱指揮コンクール」を2008年から開催しております。その始まりは、TokyoCantatに何度も招聘講師として来日された故カール・ホグセットさん、エルヴィン・オルトナーさんお2人からの発案でした。その後、隔年開催を重ね、2023年は8回目を迎えます。前回(第7回)はコロナ禍のため、2020年には1年延期、2021年に無観客ライブ配信にて開催いたしましたが、2023年は、5年ぶりに聴衆の皆さまとともに開催できることを目指しております。

ゴールデンウィークは今年もTokyo Cantat、4年ぶりに合唱漬けの9日間が戻ってまいります。
多くの皆様のご来場を心よりお待ち申し上げます。